さくらを抱き締めていたはずなのに、目が覚めたら自分の部屋のベッドにいた。
要「っ」
腕も手も痛い…
そう思いながら階段を降り居間に行く。
???「要…どうだ体調は?」
要「父さん…縫った?かなり痛い」
父「ああ。昨日雅が縫った。熱出ると思ったが…凄いな要」
要「つーかさくらは?怪我平気だったの?」
父「さくらちゃんかなり可愛いらしいじゃないか。あの雅が絶賛し」
要「怪我は?」
父「今日さくらちゃん、家にいらっしゃるから自分の目で確認したらいいさ」
要「…何でさくらが来る?」
父「お兄さんがどうしてもお詫びをと雅に言ったらし」
要「兄貴!?…ぃって!!」
思わず手に力を入れてしまい、またズキズキと痛みだす。
父「ああ、薬飲まなきゃな。何か軽く食べて飲みなさい」
前にあるテーブルに置かれた薬を見ながら、俺の頭は混乱していた。
さくらの兄貴…確かに亜里沙っていう姉が初基って呼んでたよな。
さくらは兄はいないって言ってたけど…
やっぱりいるんだよな…?
どういう事だ?
俺の考えは堂々巡り。
とりあえずキッチンにあったパンを食べて、薬を飲む。
ピンポーン…
父「いらっしゃったかな?」
玄関に向かった父さんの声が少し大きくなり、別の男の声も聞こえてきた。
いてもたってもいられず、俺も玄関へ向かう。
要「!!」
初「要君!もう怪我は大丈夫?妹を守ってくれたみたいで…本当にありがとう」
俺にそう優しく話しかけてきたのはスーツを着た男。
男はさくらを凛々しく大人にした様な感じで、さくらに似ているからか流石に男前。
その男前の後ろには制服を着たさくら。
ずっとうつ向いている。
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- 2009/07/20(月) 19:20:47|
- 恋は雨とともに 第61話~第70話 第62話|
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