さ「…」
み「…」
さ「…あの…生徒会は…」
み「今日はさぼりだ」
さぼり…。でも…朝の事を考えると休む気持ちがわかるかも。
み「美夏には…悪い事をした。美夏…泣いてたな」
さ「…」
み「さくら、お前はそんな奴じゃないと分かってはいるが、お願いをしに来た」
さ「お願い‥ですか?」
みちる先輩の、黒い瞳が私を真っ直ぐに見る。
み「今朝見た事聞いた事全て、誰にも言わないでくれ」
さ「あ…あのっ、すみません。あの後すぐ要と会って話してしまいました。あっでも!それ以外の人には話してないですし、話すつもりも」
み「そうか。要も聞いたか」
みちる先輩は立ち上がり、私に背を向けて窓を少し開ける。
み「誰だか気になるか?」
さ「え?」
み「貴之って名前」
みちる先輩の、長くて黒い髪が風になびく。
その髪を見ながら、私は質問に答えた。
さ「気にならないって言ったら嘘になります。…でも、私が聞いて良い話じゃない気がして…あ、だから要からも聞いてないですよ」
み「そうか…」
なんだろう…
なんでだろう。
みちる先輩の顔を見てないのに、私にはみちる先輩が泣いている様に感じる。
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- 2009/07/20(月) 22:36:31|
- 恋は雨とともに 第91話~第100話 第100話|
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