要が腰から手を離したから、私は要の腕をペシッと軽く叩いた。
さ「恥ずかしいでしょ」
要「俺は恥ずかしくねぇけど?」
さ「もう‥。そこで待っててね」
私は一度要に背を向けたけど、また要の方を向いた。
要「どした?」
さ「ちゃんとここにいてね」
大丈夫って分かってるんだけど、要とほんの少しでも離れるのが怖かった。
だから私は照れながらもそう言って、要の頬に軽くキスをした。そして今度こそ背を向けて走り出した。
要「たく…どこまで可愛いんだか」
玲「さくら…遅かったじゃない。…また何かあった?」
寮の部屋を開けると、制服から部屋着に着替えている玲菜がいた。
さ「玲菜…そか。もうこんな時間か!部活終わってるよね。
ちょっと待ってて!すぐ戻ってくるから…沢山話す事あるの!」
私が取りに来た物。
それは、自分の机の引き出しにしまっておいたシルバーの紙袋。それを手に取り、慌てて部屋を出る。
玲「…笑顔が戻ったのね…さくら」
そんな玲菜の言葉も聞こえない程。
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- 2009/07/20(月) 21:46:24|
- 恋は雨とともに 第81話~第90話 第88話|
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