さ「ぐすっ……要…」
要「話してくれて、本当にありがとう。お前にとっては辛く、嫌な思い出でしかないのに…話してくれた事が俺は嬉しいんだ」
私を抱き起こしながら、要は私の頬を撫で、目を見てきた。
要「東堂さくらさん。俺と…付き合って下さい」
さ「…ぇっ…?」
要「お互い隠してた事は話したんだ。俺はお前の闇を受け止めるよ。だから、お前が俺の事を許してくれるなら“はい”って言ってくれないか」
さ「…かな‥め‥」
要「言わなくても、俺は」
さ「要!!」
今度は私から要を抱き締めた。
少し驚いたのか、要の鼓動が早く聞こえる。
それがなんだか安心出来て、私は顔を上げて要を見た。
さ「桐生要先輩が好きです。彼女にして下さい」
自分でも分かってる。
今私の顔は真っ赤な事―…。
でも。
どうしても要の目を見てそう言いたかった。
要「…ジラしすぎなんだよ」
おでこをピンッと弾かれ、要は私を抱き締め返してくれた。
さ「…要…ありがとう…」
要「俺のセリフ。俺の気持ちに…俺に振り向いてくれて、ありがとう」
私達は暫く抱き合ったままでいた。
お互いがお互いの温もりを確かめあうように―…‥。
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- 2009/07/20(月) 21:45:47|
- 恋は雨とともに 第81話~第90話 第88話|
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