要「菫!どこに…!!」
階段を降りてきた要と目が合った。
要は驚いた顏をしたけど、ゆっくり踊り場まで降りて高見沢さんの所まで来た。
菫「東堂さん達、お付き合いしてるんだって」
要「…噂で知ってる。そんな事より、早く行くぞ」
そんな事―…?
駄目だ…ほうきがにじんで見えてきた。
碧(!)
菫「そうね。姉さんが待ってるわね」
碧「さくら、掃除終わったしクレープ食べに行こう?」
設楽がさりげなく要との間に入ってくれた。きっと、泣きそうなのを気付いてくれたんだ…
碧「失礼します。副会長」
要「…」
そうして私達は、掃除道具を片付けてクレープ屋さんに向かった。
碧「はい、さくら。苺とチョコのダブルアイス」
さ「あ…ありがとう」
設楽が連れて行ってくれたクレープ屋さんは、大きい公園の中に停まっていたワゴン車のお店だった。
ベンチに座って待ってる私に、クレープを届けてくれた設楽。
碧「美味しいね。人気があるって女の子達から聞いてたけ……さくら。アイス溶けちゃうよ?」
さ「あ…いただきます」
設楽が買ってくれたクレープ。一口食べると、苺の甘い香りがした。
さ「おいし…」
碧「良かった」
あ…
設楽がホッとした様にため息を付いた。
こんなにも私に優しくしてくれり設楽。やっぱり責任を感じてるんだよね。
さ「ありがとう…本当に色々…」
碧「お礼を言うのはこっちだよ。さくらを連れ回してるのは俺だからさ」
さ「…ううん…さっきも…助けてくれたじゃない。駄目なの私…すぐ涙が出ちゃうんだ…」
碧「さくら…」
さっきの事を思い出しただけで、また涙が溢れる。
さ「もーやだ…」
クレープを持っていない方の手で、ゴシゴシと目を擦る。
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- 2009/07/20(月) 21:29:11|
- 恋は雨とともに 第81話~第90話 第82話|
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