さ「だから私要をここに引っ張ってきたの」
要「…そうか」
要は廊下に寄り掛かり、腕を組んだ。
さ「美夏先輩も、みちる先輩も、貴久先輩も皆悲しんでて…」
要「貴久は何も?」
さ「…うん。貴之って言われた時は驚いてたけど…要?」
要は前髪をかきあげて、私にこう言った。
要「…さくら、悪いけど俺からは何も言えない」
さ「…うん。要自身の事じゃないから、私に話して良いかわからないんでしょ?」
要はまた、悪いと呟いて私の頬を摩った。
さ「ただ…今日貰うはずだった合宿の資料、今度くれたら助かるな」
要「ああ。必ず渡すよ」
要が会室に向かうのを見て、私も教室に向かった。
何で英士先輩とみちる先輩が抱き合ってたんだろう
何でみちる先輩は泣いて…貴久先輩を貴之って。
しかも貴久先輩も要も、貴之って名前にかなり驚いてた。
でも…
私が介入したらいけない問題なんだろうな。
私にもあったように、人にはそれぞれ触れられたくない話があるだろうから。
私は複雑な思いのまま、その日1日授業を受けた。
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- 2009/07/20(月) 22:36:00|
- 恋は雨とともに 第91話~第100話 第100話|
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