初「どんな事情があったにしても、妹をかばって大切なご子息が怪我をしたのは事実ですから…」
さ「本当に…すみませんでした」
男とさくらが頭を下げる。慌てて父さんはそれを止めた。
プルルルルップルルルルッ
要「俺が出る」
鳴った家の電話を取りに行く。
電話は病院からで、父さんの呼び出しだった。
父「わざわざ来て頂いたのに、すみません。家内も不在で…」
初「いえ。こちらこそ本当は両親が出向かなければならないのですが、既に他界しておりまして」
要「…え…」
両親ともに他界…?
思わずさくらを見る。さくらも俺を見ていた。
さくらのこの目…
やっぱり…
初「ではこれで失礼し」
要「あの」
俺は靴をはいて玄関に手をかけた男を呼び止めた。
初「…なにかな?」
要「さくらさんは残って頂けませんか?」
父「こら要。さくらちゃんだって怪我してるんだ」
要「でも、さくらと話がしたいんです。駄目ですか?」
初「要君の体調が大丈夫なら…ね、さくら」
さくらはまたコクリと頷く。
父「さくらちゃんが辛そうならちゃんと休ませるんだぞ!」
そうして父さんは病院へ、さくらの兄貴らしき男は会社へと行った。
初「さくら、今日は寮へ帰りなさい。学校の先生方にちゃんとお礼を言うんだぞ」
とさくらに言い残して。
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- 2009/07/20(月) 19:21:38|
- 恋は雨とともに 第61話~第70話 第62話|
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