初「家で休ませますから。早くリラックスさせてあげたいんですよ。高杉先生、今日は自宅に連れて帰ります」
雅「…でも…」
初「さくらも家がいいよね?」
駄目だ…
さ「…」
コクリと頷いた私を見て、充っちが会話に入ってきた。
充「東堂さん。さくらさん、そこで寝てる要君とお付き合いしてるんです」
初「要君?」
初基が要に目をやる。
充「桐生先生の弟さんで、この桐生病院のご子息です」
初「先生の弟さん…そうでしたか。これはこれは…話によると男の子が妹を守ってくれたとかで。その男の子が要君でしたか…本当にありがとうございます。そして、怪我をさせてしまい申し訳ありませんでした」
雅「いいえ、そんな。むしろ要が守りきれなくて大事な妹さんにも怪我をさせてしまって…」
初「お父様は今は?お父様にもお詫びを」
雅「本当に大丈夫ですから。今日は手術が入っていて、誰とも会えませんし」
初「でしたら後日改めて。要君、見た所かなりの怪我の様ですし…お父様のご都合の宜しい日を教えて頂けますか?」
雅「……明日は休みになってますが…本当に大丈夫ですよ?」
初「そういうわけには。では明日、お宅に伺わせて頂きます。ご住所を…」
そんなやり取りをしている2人に背を向け、私は要だけを見ていた。
要…
縫ったって…左腕も右手も…?
痛々しい包帯。
要…痛かったよね…
ごめんね…
ありがとう。
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- 2009/07/20(月) 19:18:59|
- 恋は雨とともに 第61話~第70話 第61話|
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